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宿題をやりゃあいいってもんでもないんですよ
中学入試の小6の夏から、もしくは夏以降になると毎年寄せられる相談があります。
塾の宿題についてです。首都圏在住の方からが多いので首都圏の塾が似たような宿題を出しているということだと思いますけどね。
とりあえず出される宿題
首都圏最難関校を目指すブラックパパさんから寄せられた相談によれば、
塾からの宿題として志望校である過去20年間の過去問を3回、子供に解かせたそうです。
20年×3回×4教科=・・・・
ワォー!ものすごい時間と労力ですねえ。現在の偏差値65前後。しかし最難関校の合格最低点は取れない。いったい全体どうしたらいい?と泣きのご相談。
もう一方、武士道さんからのメールには具体的にこう書かれていました。
◆塾の課題(入試演習)
・第一志望校の過去問6年分を最低3回繰り返す・繰り返し回数は、多いほどよい
・過去も、なるべく古くまで遡れるとよい
・受験予定校(第二志望)も3年分くらいはやっておくこと
◆時間
・実際の1割減で行う◆結果
・全て記録して、塾に提出する
武士道さん曰く「親技と違う取り組みでちょっと戸惑っています」とした上で、塾に提出しないといけないのでやったら「間違える問題の数は、やはり第一志望校では多く、復習に時間が掛かります」と。
さらに「一番最初に取り組んだ算数では、一桁得点でした!(復習に丸1日!!)」と驚愕の告白をされたのでした。
武士道さんの言う親技と違う取り組みとは、親技における親カツ講座後期コースで「志望校の過去問は最後までやらずに取っておいてね」と言っていること。
そして「最後に志望校の過去問をやってヨッシャー!となるように、そこまでは偏差値の低いものから順に入試演習を駆け上がってやってください」と言っているからでした。
また、過去問は繰り返しやることに意味はないとも申し上げてきました。2回目にやってイイ点数取れるのは当たり前で、それじゃあ子供の自信にも実力アップにもならないからです。
100歩譲って過去問を繰り返すのであれば、時間配分や問題選択の練習など入試実践テクニックの確認、見直した問題の確認の意味での繰り返しならやりますけどね。
塾がやっていることに特に文句を言う筋合いでもないのでいいんですが、今の時期に過去問を20年分やって、来年の入試前の1ヶ月、1週間前って塾はなにをするつもりなんでしょうか?
入試3ヶ月前はすごく大事な時期ですが、1ヶ月前はもっと大事な時期ですよね?
この1ヶ月、そして1週間前で「オレ、やれる!」と心から思えたらやっぱり勢いが出ます。ヨッシャー!いくでー!って気持ちになる。そのイケるぞ!って気持ちで行くための最高の伝家の宝刀はなにか?
それは去年の過去問であり、一昨年の過去問でしょう。もしそれができれば盛り上がる。正真正銘の自信を持って臨める。
もしできなかったら??
そりゃあ気分は一気に盛り下がるでしょう。だからそこで志望校の過去問が取れるようにやっていくということです。
考えてほしいのは、入試1週間前に志望校の過去問を初見で合格最低点が取れないということは、2ヶ月前や3ヶ月前にやっても取れないでしょう。今取れないのに3ヶ月前に取れるわけがないですから。
最高の自信になるものってなによ?
私たちはギリギリの生徒を最後の1ヶ月、最終1週間で「ヨッシャー!合格や!」「オレ、イケるぞ!」ってノリノリで勢いをつけて入試会場に送り出す。
「大丈夫かなあ? いけるか? ヤバイかも」なんて思っている生徒と「ヨッシャー!合格するでー!オレ、イケてるから!」と思っている両極端の同じ学力の受験生がいたとしてどっちが勝つか?
そりゃあ、ノリノリのほうでしょう。合格ラインには数十人がひしめいているんです。勢いがあるほうが点数を取れる。勢いとは自信とも言いかえられます。
先週は、小学校5年生の子供が初めて上がった塾の最上位クラスでのテストでビビッて20数点に沈んだという話がありました。
実際の最上位クラスのテストは今まで受けていた1つ下のテストよりもはるかに難しかったのか?
答えはノーです。
2つのクラスの問題、30%だけが違う問題で、あとは一緒のテスト。しかし、それなのに今まで取ったことがない点数を取ってきた。
なぜか?
1番の問題で小難しいのが出てガツンとやられて、慌ててパニックになって、やっぱり最上位クラスは手ごわいわとか余計なことを考えてチビってしまった結果でした。
家に帰って、なにゆえこの大問4番が空白なのかを問いただし、目の前でやってみさせると2分30秒で4問全問正解!
エー!ですよね。
でも、そういうことが起こる。当たり前に起こるんです。最初にガツンとやられて、そのすぐ先でもう1回「できない!」問題に遭遇して慌てると50分のそのテスト内に気持ちが立て直せずに撃沈したわけです。
いつもの慣れた場所で受けたテストで起こるのに、顔ぶれも場所も違う入試でそれが起きないわけはない。あなたの子供にお子さんに起きはしないとは断言できないでしょう。
最初にガツンとやられる経験をする。その経験から学ぶ。時間内に立て直す。
その練習をした上で入試に臨むのは当然ですが「やられた」「ヤバイ」「どうしよう」という逃げてしまいたい気持ちを追い払ってくれるのは、やっぱり「ヨッシャー!合格するで!オレ、イケてるから!」という自信を持って臨むのが一番だというのが親技の考え方です。
だから、入試10日前、今までやらずに取っておいた過去問を、さあ今まで培ってきた実力をいよいよ志望校で試すぜ!と入試と同じ時間で、入試のつもりで、入試日と同じ時間に起きて、同じ服を着て、いつも勉強している場所とは違う場所でプチ入試を敢行する。
そこで合格最低点を取れたとき、親のいかなる言葉よりも、塾のテストのいかなる判定よりも、子供の自信になる。
「これまで頑張ってきたんだから大丈夫よ」なんて比にならないですよ、この自信は。湧き上がる勇気、漲る自信。子供の顔が違ってくる。
今から経験される方も多いと思いますが、こうした真の実績や成果に基づく自信を持った子供はそこからまだ伸びる。グイ~ンともう一伸びする。
入試1ヶ月前から直前まで続くこの期間でこの「ヨッシャ!」の連続をいかに作って入試に臨むか、そこにだけ焦点をあてていくわけです。
そして、夏以降、秋、冬と、それをできるようにするための大切な仕込み期間でもあります。仕込みとはもちろん入試演習です。
入試演習をする意味
入試演習をする意味は、今まで習ってきたことをランダムに聞かれてもできることを証明する意味があります。どこから聞かれてもちゃーんとわかってますよの確認ですよね。
「そのランダムに聞かれても答えられるよ」証明の問題でみんな難しい問題をやりたがる。もしかしたらあなたがやりたいのではなく、塾がやれって言っているのかもしれないけれど。
去年もこの時期に相談がありましたが、その「なんでもランダムに聞いてもらってイイよ」証明のための一番最初の入試演習問題が千葉県の市川中学!
手もとの四谷大塚の80偏差値を見ると、市川中学の偏差値62。
こう言っちゃなんですが「頭がおかしい」と率直に思います。
今までいろいろ練習も勉強もしてきたでしょう。いよいよ「どこからでも聞いてもらっていいよ」の練習が始まるわけです。それも入試問題で。
なんでも始まりはカンタンなことからでしょう。それがいきなり偏差値62の学校でチャレンジとか意味がわからん!
これって初めて行ったサッカー教室でオーバーヘッドシュートをしろっていうくらいの感じですよ。
わかってんのかなあ?
先に紹介した武士道さんの「一番最初に取り組んだ算数では、一桁得点でした!(復習に丸1日!!)」を驚愕の告白と書いたのはこのためです。
難しいことをやれば復習だって時間がかかる。1ケタ得点だったら、そりゃあ復習に丸1日かかるでしょう。で、1週間後にやったらたぶんできない・・・
仕込み期間ですから。仕込み中にネタにカビが生えてたり、菌が入ってたら、1週間後に開けても、1ヶ月後に開けても腐ってるんです。
ただね、すでに合格圏内に入っている、極めて順調、過去問もそこそこ取れているっていうのなら、市川中学でも御三家でもやったらいい。いいんですよ、取れているなら。
問題になる人は、塾の宿題で出たから志望校の過去問やってみたは致し方ないとして、それが全然取れなかった時です。
それを繰り返していたらできるようになるのか?
ここですな。
塾の宿題の出し方を見れば、繰り返せばできるようになるという見解なんでしょう。
でも、親技の答えはノーです。繰り返してもできない。
現に先に紹介したもう一方のブラックパパさん。
塾からの宿題として志望校である過去20年間の過去問を3回、子供に解かせたけど、いずれも最難関校の合格最低点には届かなかった。
じゃあ、もう10年分足して30年分を6回ほどやれば取れるようになるのか?
他人の答えはわからないけれど、親技の答えはノーです。
もし、過去問をやっていく中で年度を重ねると解けるようになるのであれば、3年分とかでその兆候は出ているでしょう。5年分目をやったらよりよくなったとかね。
たくさんやれば傾向もわかるだろうし、問題の出され方に慣れてくるということを経験することは大事でしょう。
でも、過去の出た問題を繰り返しやっても、できるようにはならない、と私は思います。
じゃあ、どうすりゃあいいのか?
いや、だから入試演習でしょう。ランダムに聞かれる良問の入試問題をガンガン解く。偏差値も低いものからやったらいい。
みんな偏差値の低い学校っていうと、どうしてあんなに見向きもしないんだろうか。
かつてここで書きましたが、それは実際の偏差値の分布と志願者数がまるで重ならない現実を見てもよくわかる。
→ 【お母さんからの相談】勉強のコツもつかめずにもがき苦しんでいる
トップ校を目指す、憧れることを否定はしませんが・・・
2010年首都圏私立中学校受験者数ランキング(2月1日午前・男子編)
第1位開成中学校 1072人
第2位麻布中学校 1028人
第3位早稲田中学校853人2010年首都圏私立中学校受験者数ランキング(2月1日午前・女子編)
第1位女子学院中学校 781人
第2位桜蔭中学校 528人
第3位フェリス女学院中学校477人
みんな開成や女子学院ばっかり見ているが、もっと足元を見よ!ですなあ。
足元を見るために1つチャレンジ問題を提案したいと思います。やってみてくださいな。
チャレンジしてほしい入試問題
チャレンジ問題は郁文館夢学園
http://www.ikubunkan.ed.jp/examinee/past.htmlやってみますか!平成26年度≪第1回試験≫算数
http://www.ikubunkan.ed.jp/data/jhs_14_ippan01_sansu_mondai.pdf解答はこちら
http://www.ikubunkan.ed.jp/data/jhs_14_ippan01_sansu_kaitou.pdf
手もとの資料では偏差値40弱。
我が子は偏差値がもっと上だって!?
あのね、中学入試の問題、塾なんかの偏差値で考えてたら大やけどしますよ。どの学校も見栄えっていうものを大切にしてますからね。偏差値で表示されているよりかなり上のレベルの問題がそろっています。
この学校の問題、実に良い問題です。いわゆる良問ですな。受験生が今まで習ったことをランダムに出されて確認するにはちょうどイイ。こういうのをたくさんやって実力を蓄えなくっちゃね。
タイガー山中の推定では現在偏差値55の子供にちょうどイイ問題とのことです。
ウチは偏差値60以上だって!?
なるほど。じゃあ、制限時間を少し変えてチャレンジしたら、ちょうどよくなります。
制限時間を変えてやれば難易度はアップする
お子さんの現在の偏差値によって制限時間を変えましょう。
偏差値40~50: 制限時間50分
偏差値51~55: 制限時間45分
偏差値56~60: 制限時間40分
偏差値61以上 : 制限時間35分
偏差値は母体によって変わってしまうので、あくまで首都圏、関西圏の大手中学受験専門塾での偏差値を目安とした指定となります。
北海道地区、名古屋地区、広島地区、九州地区、その他の方や中小規模の進学塾の場合ですと今の偏差値から5~10を引いたぐらいに思ってもらうとちょうどイイかもです。
逆の言い方でいえば、この問題をやって出る正解数がそのままお子さんの入試演習における実力偏差値と言えるかも。
まあ、つべこべ言わずにやってみましょう。親の方も能書き垂れずにぜひチャレンジしてください。肌で感じましょうよ。
家庭で実施された方、18問中何問正解したか、よろしければメールでお知らせください。
現在の偏差値40~50の方であれば【正解11問/18問中】が目安になるでしょう。
ちなみになんですが、タイガー山中はまあ本気は出さずに8分の力(本人申告)で解いて34分、な、な、なんと1問間違いでした。
私としては「問題文をきちんと読めよ!」って言いたいですな、ハハハ(^^)
これってやらなくちゃいけないのかって!?
別にやらなくてもいいですよ。忙しいでしょうからね。
ただ難関校の過去問を繰り返しやる前にやることがあるだろうってことを言いたいだけなので。そして、いかなる学校の問題であれ、成績がイイ子の親は自分たちのためになるようにできるすべを持っているということなだけですから。
子供の中には塾に通うことで偏差値「でしか」人を見られなくなる子供います。偏差値40って聞くと、バカにした態度をとるんですな。
そういうガキに「じゃあ、やってみろよ」ってやらせるわけです。偏差値が低い学校であれば、ぶっちゃけ合格最低点は取れるのかもしれない。でもね、上を目指しているのであればそれで満足はできないでしょう。
学校が無料で丸出しで公開してくれているこの過去問をいかに自分のものとして取り組み、自分にとって価値あるものにできるか。これが勝負。何でも自分のこととしてできるものはやっぱり強いです。
入試演習で過去問やって半分しか取れなかったら、半分の問題は見直しして解けるようにしないといけないでしょう。ものすごく時間がかかる。で、1週間後にやったら解けない。それじゃあ意味ないんです。
満点なら見直しはいらない。時間は試験時間だけ。復習にもなる。次はもっと上の学校をやったらイイだけ。その「もっと上」がいきなり難関校じゃ今までの復習にならないじゃないですか!
2か月後に志望校の過去問が解けるように徐々に段階とレベルを上げて取り組まなくちゃ!
塾の宿題で大変でしょうが、試しにやってみてください。
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さあ、ここからはチャレンジ問題を解いた後で読んでほしいことを書きます。
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この問題、中学入試を考えているなら小学校4・5年生、低学年の親の方にはやってみてほしい。高校入試をするので中学入試は関係ないって人もやってみてほしいと思っているくらい。
親は子供に「どうしてできないの?」って軽く言っているけど、今どきの子供たちにはどういう問題が問われているのか、50分でわかる。どんな感じかがわかるから。
子供がやる問題だけど、少なくとも何度かは真剣勝負で親がやってみるべきだし、親が肌で感じるべきだと思っています。今できなくても、このあとの正月休みにやってもいいんですから。
親はスラスラ解けなくてかまわないんですよ。というわけで、
チャレンジ問題は郁文館夢学園
http://www.ikubunkan.ed.jp/examinee/past.html平成26年度≪第1回試験≫算数
http://www.ikubunkan.ed.jp/data/jhs_14_ippan01_sansu_mondai.pdf解答はこちら
http://www.ikubunkan.ed.jp/data/jhs_14_ippan01_sansu_kaitou.pdf
チャレンジ問題の目安は・・・
平成26年度≪第1回試験≫算数について1つの目安を出しておきます。
その前に、親カツ生から詳しい報告をいただいていますので紹介します。
小6 星さん
郁文館中学校の入試問題をやった結果をご報告したいと思います。
ちなみに、娘の算数の偏差値は、模試で1回目から
53.8⇒56.2⇒46.4⇒58.9
で親としては51~55のつもりでおりました。
結果は正解数13問。
2(5)、3(2)、5(1)(2)(3)を間違えました。
かかった時間は35分。
制限時間は50分で始めましたが、子供には5が難問だったようで、それ以外を終わらせ見直ししてから5に取り組み、(1)をなんとか解答欄を埋め、あとは考えてもわからないとのことだったので、35分で終わりにしました。
間違った問題の振り返りをすると、2(5)は1134円を本体価格と思い込み、税込み価格を求めていました。きちんと問題を読んでいないことがよくわかりました。
3(2)は娘が書いた式を説明してもらったところ、「あれ、数字が間違ってる!」と。改めて説明させるとすらすらと正解までたどり着きました。つまり、これがオマケ問題ってことですね。
5は、「まずは問題文からわかることを書いてみよう」と促し書かせている途中で「あ、わかった!」と。(1)が解けて勢いづいたのか、(2)(3)は一気にできてしまいました。
家で入試演習を行うと、偏差値の低めの学校なのだから全問できて当然、という気持ちが親の中にあるので、今回のように、問題に対する目安があると、やみくもに頑張らせなくていいのでありがたいです。
今後もチャレンジ問題はやらせたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
「親としては51~55のつもりでおりました」とおっしゃっていますが、最初にタイガー山中が設定していたものとズバリ一致しています。
タイガー山中が設定していたのは以下の通り
偏差値40~50: 制限時間 50分
→ 11問/18問中
→ 3(2)、5(1)(2)(3)、6(2)+オマケ2つ偏差値51~55: 制限時間 45分
→ 13問/18問中
→ 3(2)、5(2)(3)+オマケ2つ偏差値56~60: 制限時間 40分
→ 15問/18問中
→ 5(2)(3)+オマケ1つ偏差値61~65 : 制限時間 35分
→ 17問/18問中
→ オマケ1つ
星さんは「きちんと問題を読んでいないことがよくわかりました」とありましたが、実はタイガー山中も1問読み間違って不正解が1つありました。これがいわゆるオマケ問題ですな。完璧でも2問は間違うという。
星さんの分析とタイガー山中の設定問題はほぼ一致しています。見直しの状態を読むと、星さんのお子さんが偏差値55の壁を越えるのにはあとわずかであろうと推定できます。
この壁は入試演習によって越えることができる。もっといえば入試演習でしか越えられないとも言えます。
星さんのお子さんがこの入試問題でかかった時間は35分ということなので、見直しを入れても1時間強、かかっても1時間半でクリアになったのではないでしょうかね。
これくらいの時間で見直しまで終わって、また次をやる。これにより壁を1つ突破していくわけですね。
入試演習1科目を5時間かけて見直しまでするような勉強は今の子供にレベルがあっていない、実に非効率な勉強になります。
また、そうした苦行の1教科5時間勉強が壁の突破に有効ならまだ意味があるんですが、今子供が越えなければならないすぐ目の前の壁を越える訓練にはならないってことです。
星さんのお子さんでいえば、2(5)はオマケ問題で仕方ないとして、あとプラス10分で、いかに3(2)、5(1)(2)(3)にたどり着けるかでしょう。
特に、最後まで終わらせて見直ししてから5番に取り組み(1)をなんとか解答欄を埋めて終えたようですが、あと10分、もしくはあと5分考え抜いて5番の(1)がなんとかならなかったか。
これは次回に向けての検証の意味にもなりますが、次はそこが課題になるでしょう。
最初に【偏差値51~55:制限時間45分】としていましたから、星さんのお子さんでいえばあと残り10分ありましたよね。
実際に見直しでは、2(5)は「思い込み」、3(2)は「改めて説明させるとすらすらと正解までたどり着き」、5は「まずは問題文からわかることを書いてみよう」と促し書かせている途中で「あ、わかった!」となった。
なので、入試演習の残り10分で親と一緒にやったこの作業をどれかの問題に絞ってでも一人でやってみることがこれから求められてくる。
「わからない」となったときにどうするかはすでに答えはあるわけですから、それを残り10分で粘ってやってみる。
最初は親が入試演習中に「わかることを書いてみよう」とささやいてやってもいいんです。「答えが出ないものは思い込みがないか確認してみたら?」と言ってやってもいい。
最終的にはそうしたささやきなしで自力で行くことが求められますが、残り10分でどれだけ正解数を増やせるか。そこが入試では勝負になります。
多くの受験生が最後の10分はバタバタするばかりで得点の上積みができません。ほぼ同じ学力のライバルが競っている中で、残り10分で「わからない」問題をいかに自分に引き寄せられるか。10分で何点、何問正解を導けるか。
合格ラインを確実にあっち側に越えるための10分です。これが運命の分かれ道になります。
そうした訓練においても今回やった学校の問題は偏差値40弱とされながらも最適な問題の1つと言えるでしょう。
星さんのお子さんが見直しの際にやった「5(1)が解けて勢いづいたのか、(2)(3)は一気にできてしまいました」は入試でも起こり得る。というかこれを起こすための訓練が入試演習の意味でもあります。
この大問の1番がわかるとその後がポンポンとできるというのは他の教科だってありますよね。残り10分で3問取れるということは稀ですが、残り10分を無策の0点にしてはならないってことです。
覚えていないとできない問題は知らなければお手上げですが、条件を整理して解ける可能性が増やせる算数なんかでは大いに逆転の可能性はあるってことです。
次回、残り10分でわからない問題のうちの1つを「まずは問題文からわかることを書いてみよう」と子供ができれば一歩前進。その時は解けないかもしれない。でも、最後の10分が勝負と思ってやれるわけですから。
多くの受験生は制限時間50分を決してフルには使いません。みんな40分ほどで終わってる。残りの20%の時間を捨てているわけです。2年も3年も頑張って勉強してきたのに・・・
もったいない。そこに私たちがこだわる入試実践テクニックの意味もある。みんな難しいことをやり過ぎです!!
えっ、この学校の問題、できてクリアしたよって!?
じゃあ、もうワンランク上の学校を使って入試演習をしたらイイ。ランクを上げていったらいいだけです。ただし、ランクを上げるのは少しずつ。偏差値でいえば2から3単位で上げるんですよ。
この2ヶ月の入試演習で子供は新たな子供に生まれ変わる。今までの子供とは違う、制限時間の枠組みの中で入試問題に直に触れて見直ししたらできた問題を制限時間内で取れるようになる。
考えてもわからない、解説見てもチンプンカンプンの入試問題にかかりっきりになっても、子供は生まれ変わらない。
生まれ変わってノリノリになって年を越す。もう一山あるけれど、その先の山は目の前のヤマを越さなければ越えられないのですから。
ガンガンやりましょう!入試演習。子供にあったものをね!
→ 【親のノウハウ】中学受験は親の受験。親が変われば、子供も変わります。