中学受験の親の悩みQ&A
中学受験をめざす親のみなさんから届く報告、悩み、相談は年間1,000を超えます。ストロング宮迫が答えたものをまとめてみました。

塾の言うことはどこまで信用できるのか

夏休み前の時期になりますと夏期講習の相談が多くなりますね。ここではそんな夏期講習の相談のうち2つほど相談メールを紹介しましょう。

夏期講習についていろいろと考えを巡らしている方の参考になれば幸いです。

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まず1つめ。

我が家では、親のみで勉強の指針を決めることに自信がないため、塾の力を借りて、世間の方向性や何を勉強すれば良いか学び、それを家庭で活かしたい・・・・

4月から進学塾に行かせるかどうか悩み、息子の性格や勉強状態などを考えて、○○という個人指導の塾を選びました。

現在、息子は塾を「楽しい」あるいは「普通」と言いながら、宿題も嫌々ながら何とかこなし、通塾してます。この塾は、息子の苦手な点は重複して復習するし、ノートの取り方や授業のスピードも息子に合わせてくれるので、それなりの効果は感じています。

ところで、この塾は教科単位による受講申込なのですが、入塾前には面談をし、必要と思われる教科を選んで入塾します。

そのときは、学年からいえば「数学のみ受講すれば十分でしょう」という話でした。

更に、数学だけを選択して受講しても塾のテキストは全教科分配布され、それについては塾内にある自習室で行う分には無料で勉強できるということでした。

ところが、実際塾に通い始めて1ヶ月を過ぎた頃、確かに数学のテキストは受け取ったのですが、他の教科についてはナシの礫です。

また別件ですが、集団塾を体験させるつもりで、今の塾とは違う○○の夏期講習の2コースあるうちの日程のいい方を申し込んだら、最初は

「このコースは体験でいきなり来るお子さんには向きません」

と言われたのに、後日、

「このコースなら普段通塾している子よりも体験で来るお子さんに向いています」

と全く逆のことを言われて申し込みを勧められました。

結局、夏期講習に関しては、私自身不信感があり、また当初通う気だった息子も、最初の言葉ですっかりヤル気をなくしてしまい、申し込みはやめるつもりでいます。

今通っている塾は、授業内容としては問題ないのですが、テキストのことが気になり、この点は問合せしているところです。

ということで、最近塾が信用できなくなりつつあります。

塾の言うことはどこまで信用できるものなんでしょうか?

話を聞くときはいつも自分が「カモ」のつもりで聞かないといけないのでしょうか??

塾の先生にも言うべきことはちゃんと言いましょう

まず、これは

塾の言うことはどこまで信用できるものか?

という問題ではなく、疑問や???な点をすぐに解消すればいいのではないかと思います。なぜ1か月も放置されているんでしょうか?

電話でも、行ってでも、すぐに話をして、

「どうなっていますでしょうか?」

と丁重に聞けば、信用できるのかできないのかすぐに判断できるでしょう?

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「問合わせ中」という問題ではなく、1日で、いや数時間で、いや数十分で、かたがつく話です。こういうのを「放置している」と私は言います。

でも、結局、こうして「問合わせ中」とかで放置しつつ、不安や不満を募らせているわけです。

すぐに聞く!
問い合わせる!
面談を申し込む!
塾長に会う!

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それでほとんど解決する問題であり、それをやってから、対応が不満ならやめればいいですし、良ければ残ればいいのではないでしょうか?

聞く相手、相談する相手は私ではなく、塾です!!

「信用できない」と判断を下す前にぜひ聞いた方がいいですよ。

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また、

また夏期講習を申し込んだところ、最初は「このコースは体験でいきなり来るお子さんには向きません」と言われたのに、後日・・・全く逆のことを言われて申し込みを勧められました。

については、上記と全く同じ理由で

「以前は逆のこと言われましたけど・・・」

とその場で聞いたらいいです。言う人であれば「それっておかしくありません?」くらいは言うでしょうし。不安や不満は自分が抱えていても、この場合解決されません。

解決しないことを抱え続けても体に毒ですから、すぐに聞く。

「どういうことでしょうか?」と。

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間違いが起こったら、そのときの対応を見て、あーこの塾は信用できないとか信用できると判断すればいいです。今回のような真逆の見解を塾が言うのを「間違い」というかは別にして塾にだってミスはあり、相手によって対応も違う。そのミスをキッカケに信用できると判断する場合だってあります。

塾といっても校舎が違えば人も違うし、雰囲気も違います。

なので、「塾を信用してもいいですか?」と他人に聞くものではなく、自分で行って、聞いて、質問して、対応を見て、信用できるかどうかを自分で決める。そういうものだと思いますよ。

少なくとも、お金を払っているのに、大事なことを1か月も放置しておいて、挙句の果てに不満を言うのは、おかしいです。

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塾は単に忘れているだけかもしれませんから・・・間違いやミスはどこにだってあります。

一切の間違いやミスは許さないわけではないんでしょう?

ならば、

忘れていますよ!って言ってあげたらいいです!
すぐにです!!

それで対応してくれなかったら、すぐにお金を返しえもらいましょう。

【親のノウハウ】中学受験は親の受験。親が変われば、子供も変わります。

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成績がイイ子が集まる校舎に通うべきか?

はい、お次!

今日は

息子の夏期講習について相談させてください。

息子が塾から帰ってきて言うのです。

「名誉なお誘いをもらったよ!」

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見ると、夏期講習の案内です。内容は、今通っている車で5分の校舎ではなく、電車で1時間の校舎で行われる難関中学受験向け特別夏期講習への参加ご案内でした。(省略)

息子の成績は、確かに平均60以上はありますが、中身は、社会が67、国語が64、算数57、理科56とこんな具合で、得意科目と苦手科目が差が大きく、得意科目はついていけても苦手科目がついていけるかは不明です。

塾からは、地域のできる子が集まるので、おおいに刺激を受けて弾みをつけてください。算数は苦手というが、普段の授業ではきちんとついてきている。問題ないですよとのことです。

ですが、

通塾時間が10分→2時間
これだけあれば勉強できる??
場所やメンバーがかわるとそんなに弾みってつくもの??

成績順の座席なので、できる子ばかりのこの講座では真ん中より後ろになる可能性が高いです。

地元の教室で前列受講の方がいいのでは?? 迷ってしまいます。

もう息子さんは塾で落とされてきてますよねえ(≧◇≦)

だって、

「名誉なお誘いをもらったよ!」

殺し文句だもの・・・お子さんはもう行く気満々なんじゃないでしょうか。

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メリットデメリットを考える

それぞれにメリットデメリットがあります。

あとはそれをどう判断するか。

場所やメンバーがかわると
そんなに弾みってつくもの??

これは実際にあります。

勉強量が増える場合も多々ある
もっとやらないといけないんだと思えることもある
席次を少しでも上げたいと思う場合もある

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一方で、通塾時間が長くなる。「通塾時間が10分→2時間」は皆さんが思う以上に私なんかは問題視します。だって日常の生活時間が自動的に2時間増える計算になるわけです。

生活スタイルが激変するといってもいいでしょう。

あとは授業と宿題のレベルの問題。不得意科目の算理の授業がお子さんに合わない場合もあるでしょう。お子さんにとって、違う校舎に行くことで、授業で取り扱う問題がCレベル問題ばかりになれば、おもしろくないし、辛くなる。

つまり、レベルが少し上だと食い付けるが、2つも3つもレベルが上だと苦しくなる。

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さらに付け加えるなら、お子さんの性格ですね。

これまで席次が下がった時にどういう反応だったか?
テストが悪かった、下がったときどういう反応だったか?
へこんで勉強しなくなったか、
「このヤロー」と反応して勉強したか?
打たれ強いのか?
打たれ弱いのか?

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席次は今よりは下になる可能性が高いことがわかっているわけですから、「子供の頑張ります」という言葉や意気込みではなく、これまでどうだったかが、1つの判定材料でしょう。

ただ打たれ弱いというのは決してダメではないということです。打たれ弱いのであれば、打たれないように環境を設定してやればいいだけですから。

どうしたってこの夏休みは、算理のアップが至上命題でしょう。

考えるべき点は・・・

その観点を大前提に、

1、子供の意志を確認(たぶん行く気満々)

2、席次は今よりも下がることになるが、打たれ強いのか弱いのか

3、難易度の高い授業を受けるのだから勉強量は当然増えるがいいのか

4、通塾2時間分を余分にどこかで補う必要があるかできるか

5、特別講習はすべて復習しないで必要なものをやることになる可能性が高いが納得できるか

以上5点を子供と確認してください。

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例えば2とかであれば、

「席次が下がったとき、ふてて勉強しなかったことがあったけど、どうかしら?大丈夫?」

というこれまでの事実をお子さんにぶつけていく、感情を交えずに。

行かせたくないとか行ってもいいよという希望入れずに子供に話をしましょう。

子供の意志を尊重するわけなんですが、無条件で尊重するわけではなく、いくつかのクリアすべきことがあって尊重する。

もっといえば、

特別講習に行ったら勉強量が増えるというのではなく、
行くためには、算理の今までやった基本だけでも
おさらいしていく必要があるので、
30分今から勉強量が増やさないといけないけど、
できる?

というように、夏休みからではなく、今から行く体制を作るために頑張る状況に納得できるかというところを押さえる必要があるでしょう。

それが「名誉なお誘い」を受けるメリットの1つでもあります。

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その上でお子さんが行きたい、やってみたいというのであれば、行かせたらいいです。行ってみたら、初日で「すごいわ。ついていけそうにない」なんて言うかもしれません。吉と出るか、凶と出るかは行ってみないとわからないですから。

ただ運を天に任せるのではなく、これをチャンスとして、手を打ったり、お子さんの受験への意志を強くしたり、苦しくなったときに踏ん張るための思いを確認し、さらに強固にしていくことが一番大事なことです。

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今までやってきたトライ&エラーで、上記5点についてはすでにもう答えが出ているじゃないでしょうか?

それを「こうだ!」と子供に一方的に言うのではなく、子供の意見を引き出しつつ、もっと勉強する環境や状況を作っていくということ。

自分から行きたいと言っても、その志をすぐに忘れて、フニャフニャになったりするのが子供です。

【お母さんからの相談】受験まで時間がなく早くなんとかしたい。

今の話し合いは秋以降に活きてくる

でも、夏期講習だけでなく、秋以降、フニャフニャになったとき、苦しくなったとき、「あのとき○○だから頑張ってみたいと言ってたよね」と子供自身の言葉を思い出させる場面を今回の件で1つ作る。

これは夏期講習だけの話ではありません。行ってみて問題が発生することを恐れる必要はありません。

問題が出れば、復習する問題を取捨選択したり、質問に行かせたりすることで対処する。

繰り返しますが、

今回の意志決定で大事なのは、お子さんがどう決断し、そのときにお子さんが何と言うかです。

その子供自身の言葉が受験までの苦しい道のりを支えていくことになります。行っても行かなくても道はある。

受験への強い意志を今回改めて確認しましょう。

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よく考えておられるなあ

※この相談についての返信については、後日、お返事をいただきました

子供の成績アップを目指して真剣に取り組み、成果を出している方が頭の中でどんな風に考えているのかを知る上で、参考になと思いますので、今回はそのメールを紹介します。ただ読んで終わりにならないようにしてもらえると幸いです。

念のため、前回の内容の概略をまとめて、その後にいただいたメールを紹介します。

頂いたメールをもとに、塾と、そして子供と話ました。

メリット
1、レベルの高い子供たちと席を同じにして、刺激を受ける。

デメリット
1、夏期講習を遠くに行くと時間がもったいない。
2、算数と理科のレベルが実力より高く、復習が大変である。
3、夏期講習のレベルが高いため、本来やらなければならない基礎固めの時間を捻出できなくなるかもしれない。

ストロング先生のおっしゃるとおり、

私の中では、もう答えは最初からでていたようです。

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夏期を危険なかけにしたくない!
遠くに行かず、算数理科の基礎固め!!

これが私の望む答えだったんです。メールを頂いて、すぐそのことに気づきました。

でも、行く気になっている子供のやる気をそがずに説得する自信がなく、時間がたってしまいました。

まず、塾に相談に行きました。

子供の性格はものすごくマイペース!あまり他人の影響はよくも悪くも受けません。ですから、刺激といっても、あまり期待できないと話ました。すると、今までクラスもクラス内の位置も変わらず、学習の量・時間も安定的ときていて、ややぬるま湯かなと思って、きついのを承知での提案でした。。とのこと。

夏を全部つかうのが危険なら、1週間本校でその後は戻るのも可能ですと言われました。

しかし、ペースをつかむのに時間がかかるので、途中変更も今ひとつ乗り気になれず、ぐずぐず言うと、では、明日から一週間、ひとつ上のクラスに座らせてみましょうと提案されました。

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詳しく聞くと、そのクラスの上位の子の隣で授業を受けさせてくれるとのこと。これなら、時間のロスもなく、ペースをくずすこともなく、しかも刺激は受けられそう!と思い、お願いしました。

今、一週間の半ばまで授業を受けました。

本人いわく、国語・理科・社会ではあまり感じなかったが、算数はスピードが速く、正解率も高く、隣は自分とノートが全然違っていた!そうです。

図あり表あり、手間をそこにかけている。。と。こんなできる子でも、あんなに図や表を書くんだぁと!

これは、今後、収穫になってくれるといいなと思います。忘れさせないようにしなければ!そして、このクラス移動でやはり夏本校で過ごすには、自分に算数の実力が足りないと本人が納得してくれました。

なので、夏はいつもの校舎で受け、その分、夏期講習以外の内容も復習することにしました。

その一方で、夏が終わって2学期からの、日曜日の講習も選択しなければならなくなり、そちらは、2つのクラスのどちらかを選ぶというものでした。

前者の方が家から近い会場で行われます。第一志望のクラスについて聞くと、実際にここに集まる子は第一志望が挑戦校の子供で、どちらかというと、後者の講座に集まる子供たちが、滑り止めとしてその学校を受験するケースが多く、合格率もよいとの話でした。

ですから、やはり算数と理科がきつくなるのは覚悟で、ここは後者の講座を申し込むことにしました。遠い、レベルが高いということは乗り越えねばなりません。

講座が始まる前までに、算数理科をきつくないレベルまであげられればいいのですが。。。。

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やることは山積です。

5月のテストの直しでつまずいてます。。学習してからやりなおしても1回目で前回を下回ってしまったりして、先に進めないことがつまずきの原因です。

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2回目をすぐテストしたり、または、その時間が作れず、次の試験があったり。。。です。厳しいです。。。

が、いろいろすっきりしたところで、再びチャージです!

問題点や疑問を整理して聞けば道が見えてくる

相談者が子供の現状をきちんと分析して、問題点や悩みを整理して塾の先生にぶつけていくと、

塾の先生も、言わなかった真意や意図を説明してくれる。

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また、子供にも、正面から問題点を提示し、1つ1つ現実を見つめていく作業をすることで、

もう1つ上のステップに上がるきっかけになる。

もちろん、もうワンステップ上がれるか、上がれないかは、これからの問題なわけですが、こうして1つ1つ悩んでいる部分をクリアにしていくことが非常に大事!!

先に「ただ読んで終わりにならないようにしてくださいね」と書きましたが、今回のこのメールを「ふ~ん」で終わってはいけません。

悩んでいる部分を1つ1つクリアにしていく過程の一端をぜひ読みとってほしいと思います。

悩みをクリアにしていくというのは、次々と問題が解決するという意味ではありません。

悩んでいる部分を明らかにし、そこで派生した疑問や課題をさらに明らかにし、解決する部分と課題として残る部分をハッキリさせていく。

行く道が明るくなるというのは、そういうことなのですから!!

【親のノウハウ】親にしかできない勉強の工夫を実践。教育系の雑誌でも親技を紹介されてきました

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