受験まではあっという間
1年なんてあっという間です。
いよいよ受験生と思ったら、もう受験間近。受験前になれば、受験生は寝ている間も歯ぎしりして問題を考えている。
10時間以上勉強をやっている受験生も1時間しか勉強していない受験生も気持ちが高ぶって緊張するのが入試ってもんです。
だって受験生にとっては数年に一度のオリンピックと一緒だからね。
とはいっても大丈夫です。
命を取られるわけじゃないし、この受験で一生が決まるわけでもないんだから。
白黒はキッチリつくけれど、これから生きていくうえですばらしい経験にきっとなる。だからあがってくる胃液の味をしっかり覚えておくんですよ。
どうも掲示板に受験番号がないみたい
7年前の長男坊の中学受験の合格発表は小6の息子本人と小3の次男の2人で行かせました。
私が車で待ってたら、
「父さん、なかったわ」
「そうか。そりゃあ残念だった。悪かったな」
「なーんも。大丈夫」
淡々と交わされる会話。
そしたら小3の次男坊が泣き始めましてねえ、
「クッソー、オレ、もう1回見てくるわ。ちょっと待ってて」
と言ってもう1回見に行こうとするんですな。
本人よりも次男坊のほうが悔しがるというちょっとおかしな感じでした。
あの不合格は長男にとっても、そして次男にとってもイイ経験であったと確信しています。決して無駄なものではなかったとね。
何度見てもないものはない
2年前、我が娘の第一志望校の合格発表に娘に乞われて付いていきました。
まずは自分だけで見に行くといって笑顔で一人で行ったけれど・・・
「私の番号ない・・・みたい」
昔、自分の大学受験の合格発表で自分の受験番号がなくて、でも載っている受験番号はどれも自分の受験番号とはそもそもケタが違ってておかしいなあと思ってたら、見ている学部が違ってた!
「ほら、やっぱりおかしいと思った。絶対あるはずだからな」って正しく自分の学部の掲示板見たら見事なかった・・・
1回の入試で二度も不合格を味わうなんて。
そんな経験があったから娘には言ったんです。
「そんなわけねぇーだろ。オレが見てみようか」
「うん」
あのときの返事は娘の人生の中でもっともずばやい返事でしたね。
大学の合格発表と違って掲示板は見間違えしようもないたった1つ。受験番号を覚えている娘が見てない番号は私が見てもないもんです。
どんなに探しても娘の番号はありませんでした。すぐ隣では「あったっー」って抱き合って喜んでいる。
掲示板をじっと見つめている娘に
「帰ろうか」
「うん」
理屈はこねてこねてこねくり回す
学校から急な坂道を下りながら、
「おい、この坂道を毎日通うのはしんどいぜ。
毎日ここ登ってたら足が太くなるからかえって良かったんじゃねーか?」
なんて今から考えてもあんまり気の利かない戯言を娘に言ったら「うん」って笑いました。
車に乗って「しんどいだろうが応援してくれた人みんなにちゃんと報告・・・」と振り返ったら娘が泣いてましてねえ。
「ぐゃじ~いぃぃぃ…….」って。
我慢してたんでしょうねえ、帰り道の道中は。
娘が悔し泣きするのを初めて見ました。携帯電話渡してまずは母親へ。
「なんて言ってた?」
「あの学校はあんたに向いてないから不合格でよかったって。
あの学校を受験するのは最初から反対だったって」
これまた強引すぎるというか、無茶苦茶というか、デタラメというか、でも、あの時、非論理的な結論をキッパリ即答できたのはすばらしかったと思う。
その後も、
じいちゃんは「もともと制服が気にいらなかった」とか、
ばあちゃんは「家から遠すぎると思っていたからよかった」とか、
ハチャメチャで筋の通らない感情的な意見は娘の心には響かなかったと思うけれど、心には残ったと思います。
こうやって何人もの「超人的で非論理的な理屈」でそれぞれがなんとか小さな穴を探して通り抜けて「いま、サイコー!」って言えてるのは奇跡的だけど、現実です。
すべてを飲みこんだあとで口からきれいな飴玉を出す芸当はみんなできる。
やろうと思うかどうかだけです。
すべての経験をしたあとで全部それを宝にする
経験にはクソみたいなものも苦しいものもあるけれど、いかなる経験もそのあとでどんな飴玉を口から出すかによって体験した事実の色は決まります。
グレーの体験や真っ黒な経験でさえ、そのあとで桃色の体験や真っ赤な経験に彩ることさえ可能なんだと思います。
そうしないとクソみたいな経験したら、その後の人生も「クソ色」になっちゃうでしょ!
だからイイ経験しよう!は間違っていないけれど、イイ経験ばかりとは限らないのが人生。クソみたいな経験もバラ色に!これができたら、実際できるんだけれど、受験なんてたいしたことがないって思える。
だからといって受験がカンタンなものであるとか、軽いものであるとか思わない。数年に一度のオリンピックであることは間違いない。重圧で押しつぶされそうになるのが普通。
ゆえに親技では、親の方に入試では白黒がガッチリつくから、その前に、入試の合否が出る前に、我が子のこれまでの受験生活を振り返って入試に行く前に「合否」を明確にしてやってくださいとお願いしています。
親技の恒例行事ですな。
入試に行く前に「お前はこれまでよく頑張った!合格だぞ!」って言ってやって送り出してやる。
そうは言ってやれないなあ・・・と思えたらこの受験は親の負けです。
だからそう言えるまでやって、やらせて送り出す。そのあとのことはいかなることがあっても「バラ色」にできるからね。
→ 【親のノウハウ】中学受験は親の受験。親が変われば、子供も変わります。