中学受験の親の悩みQ&A
中学受験をめざす親のみなさんから届く報告、悩み、相談は年間1,000を超えます。ストロング宮迫が答えたものをまとめてみました。

チャレンジ問題はこれです!

小学校5年生でこういう問題があります。

縮尺2万分の1の地図上で8cmの道のりを、時速48kmの自動車で走ると(  )分かかります。

まあ、だいたいできますよね、この程度の問題なら。

答えは「2分」です。

ぜひお子さんにやらせてみてほしい。

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大事なのはこの問題を子供がどう解くか

問題はこの手の問題を

「どう解くか」と「何分で解くか」

この2つです。

親はそばで見ていて、ここを見てやる。、ラクでミスをしないやり方ができる子供は「自分一人勉強できる」態勢作りの準備になります。

この問題を解かせてみるとわかるけれど、一番多いのは

「縮尺2万分の1の地図上で8cm」をコチャコチャと汚い字で計算し、出てきたcmをmに直しkmに直す・・・

問題を見たら、筆算のような、計算のようなことをごちゃごちゃ書き散らして正解を導く。こういうやり方をする子供が一番多い。もちろん正解する。

ヨッシャー!となるか。

もちろん、ならない。

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正解だけを目指していては壁にぶつかる

こうした余白にそれぞれの計算を書き散らして正解を導くやり方では偏差値55までが精いっぱいと私たちは考えています。ものすごく頑張って勉強してもいって偏差値58まで。正解してもです。

もしそうしたやり方でやり方はあっているけれど、計算ミスをするようなら偏差値55は超えられない。

なぜなら、そのやり方は平均点のちょい上が精いっぱいのやり方だからです。

いや、ウチの子、やらせてみたら、確かに筆算のような、計算のようなことをごちゃごちゃ書き散らして正解したけれど偏差値は61ですという方がいたら、お子さんは次のステップで偏差値55まで下がりますと断言できる。

上の段階に行けばいくほど通用しなくなるやり方だから。

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偏差値55の壁を突破する解き方

じゃあ、偏差値55の壁を越える解き方ってどんな解き方か?

それは「式を立てて解く」ってことです。

縮尺2万分の1の地図上で8cmの道のりを、時速48kmの自動車で走ると(  )分かかります。

1つ1つをゴチャゴチャと余白に書いて計算しながら次に進むのではなく、まず式を立てて一気に計算して解く。これが偏差値60を突破する大きなカギとなります。

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中学受験を目指しているが塾には行かず、放課後は友達と遊んで、夜に家で四谷大塚の予習シリーズをそれほど多くはない時間と勉強量でこなしているお子さんにこれを解いてもらうと、

ゆっくり丁寧に1つの式を立て終えて26秒
その立てた式を計算をして答えを書いて43秒

でした。

もっと早くしろ!といえば30秒は切ったでしょう。でも、43秒で十分ですな。この子の偏差値が62とか63くらいでしょうかね。

もし、筆算のような、計算のようなことを余白にごちゃごちゃ書き散らして仮に同じ43秒で正解したとしても、この問題を1つの式で表して解く子供には追いつけません。

これから受験学年になれば追いつけないどころか差が開く一方でしょう。そこにはイイ解き方と悪い解き方があるから。

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イイ解き方と悪い解き方がある

イイ解き方というのは引出しにちゃんとしまわれている感じで、一方の悪い解き方はゴミ屋敷みたいな感じとでも言いましょうか。

子供が立てた式というのは理想をいえば式を見ながらその問題が言えなきゃいけない。だって問題を解くために式を立てたんだから。だから逆に式をみれば、その問題がどういう問題かがわかる。それが理想でしょう。

でも、多くの子供の答案を見てきましたが、自分が解くために書いた式や筆算や文字だけを見て、問題文が言えない。

そりゃ言えませんわな、ごちゃごちゃと書き散らしているわけだから。

あれ、この計算はどっちの問題だっけ!?とかね。

ここでは繰り返し何度も「正解しさえすればいい」という態度はダメなんだとここで申し上げてきましたが、そういう意味でもあります。

どういうのがいい解き方か悪い解き方かは親にはわからないと思う方もいるでしょう。

なので「解く時間」を目安に考えたらどうですかと言っています。

テストの大問1つで10分以上をかけられる問題というのは中学入試ではほとんどありません。

大問に3つの問いがあれば、単純計算で1つに3分ってところです。1番に5分かかったけれど、それがわかれば2番は30秒で解けたという問題があることは重々承知していますが、一問にかけられる時間は5分以上というものは多くはない。

しかし、家で1問に10分以上かけている問題は多いのではないでしょうか。1回目をやる際に理解するということも含めて10分というのであればわかるけれど、それでもその問題はそのままにしておいたらいけない。

もう1回、つまり2回目をやって速く解けるようにしないとね。

家では「何分で解いたか」を目安に見て10分もかかっているようなら、もっとすぐれたやり方がるのではないかと疑って塾の先生に聞いたらいい。

「この問題、こう解いて正解できたんですが、もっとラクで速くできる方法ないですか?」ってね。

偏差値の壁は中学入試では偏差値55の壁がもっとも厚くて高い壁です。ただ偏差値57だからといってその壁を越えているとは限らない。

ものすごい勉強量と時間とお子さんの根性で無理やり越えている子供もいますので。

そういうお子さんは受験学年になってからか、次のステップ「入試演習の壁」で苦労する。頑張っても頑張っても上がらないアリ地獄にはまる。

そんなことを考える意味でも、上記の縮尺の問題にチャレンジしてみてください。

【お母さんからの相談】成績が良い子の親って何しているの?

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算数の勉強の理想

まずは時間を計って自由に解いてみる。正解できたら、次は時間を計って式を立てて、できれば1つの式で解いてみる。それが43秒でできたら、一安心してもいいですよ。

そしてこれからの勉強は式を立てて問題を解く習慣にする。これを継続するには親の助力がいりますけどね。

頑張っても偏差値55の壁を越えられない方は悪い解き方をしてるんです。

勉強では理由が明確です。

四角を丸くはできない。やったようになるってわけです。

「式立てて解く」ぜひやってください。これができないと苦労するからね。

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